Small Satellite Conference 2018
ユタ州ローガンで開催。会議開始と同時に集録が読めるようになっていたり、ライブストリーミングがあったりして、会議全体として、すごくインテグリティが高い。
AIAA/USU Conference on Small Satellites | Conferences and Events | Utah State University
サイエンスミッションで気になったもの
Cubesat系
- CubeX: A Compact X-ray Telescope Enables Both X-ray Fluorescence Imaging Spectroscopy and Pulsar Timing Based Navigation 集録PDF
- SmallSat Solar Axion X-ray Imager (SSAXI) 集録PDF
- Cesium Iodide Thallium-doped Incident Energy Spectrometer (CITIES): A Hard X-Ray Detector for CubeSats 集録PDF
もう少し大きいもの
コンステレーション
- ADCS at Scale: Calibrating and Monitoring the Dove Constellation 集録PDF
- Planetのコンステレーションで、ADCSのコミッショニングをどうやってやっているかの詳細な報告記事。レッスン(しかも100機以上のCubesatである手法を試してみるとか、気軽に実験するのが難しいような事例のレッスン)を共有するのはひじょうに大事だし、ありがたいですね。
感想
日本の超小型衛星業界は、システマティックに物事を実施する力がないまま50kg級に手を出して大失敗して、多くの人がCubesatになかなかもどれないまま、もう6-7年くらい停滞していまっている感じがする。なんで50kg級が失敗したのかの整理がどこかでなされるといいですね。
たとえば「超⼩型衛星による広視野・紫外線サーベイ計画」(谷津さん)には以下のような整理があります。
超⼩型プロジェクトの光と影 - 世界の衛星の半数は超⼩型衛星 - ⽇本は50kg移⾏で産業化に失敗 - (つばめを含め50kg級は死屍累々) - (コンポは⾼⽌まりで費⽤対効果悪)
50kg級のコンポーネントとか、ほとんど大型衛星のそれと比べてサイズ・質量・機能・価格がほとんど変わらないうえに、Cubesatみたいに無ハーネス設計とかができないので、ほんとうに大変そう。打ち上げても失敗ばかりなので、ぜんぜん経験が積み上がっていかないし。1機打ち上げるだけで〜1億円かかるんじゃコンステレーション構築も大学やベンチャーには非現実的(たとえばH-IIAの相乗りだと7800万円(「H-IIA 相乗りによる超小型衛星の打上げ機会提供 (有償制度)」)。これは質量でスケールすると安いのだけど、機会が数年に一度なのと軌道を選べないという相乗りの制約をそのまま受けてしまうので、コンステレーション構築にはほとんど使えず、試験機などの一発もの向け)。